【書評】鬼速PDCA
- 作者: 冨田和成
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2016/10/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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こんにちは、スカイ(@nskydiving)です🙂
「鬼速PDCA」(冨田 和成 著)を読了したので、書評を残しておきます。
内容紹介
【10万部突破ベストセラー!!】 3日ごとの振り返りで自分もチームも10倍速で進化する! 野村證券で最年少記録を出し続けた、努力を100%結果に変えるフレームワーク PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ACTION(調整)の4ステップからなるPDCAサイクルは、ビジネスパーソンであれば誰もが知る古典的なフレームワークだ。 しかし、PDCAほどわかっているつもりでわかっていない、そして基本だと言われているのに実践している人が少ないフレームワークも珍しい。 PDCAを極め、「鬼速」で回せるようになると、仕事に一切の迷いや不安がなくなる。そして、常にモチベーションを保ったまま、天井知らずに成果をあげられるのだ。 ★個人のあらゆるスキル習得が超スピードになる かつてのビジネススキルはどんどんコモディティ化(日用化)している。 たとえば英語話者やMBA取得者の数もずいぶんと増えているが、PDCAはこうした個別のビジネススキルとはまったく別の次元にある。 PDCAは、個別のスキルの習得を加速させるためのベースだからだ。 英語やコミュニケーションスキルなど効果が見えやすい実用的なスキルの習得に躍起になるよりも、 実はそうしたことに手をつける前にPDCA力を身につけたほうが、中長期的に見ればはるかに大きな効果をもたらす。 ★PDCAはチームリーダー・経営者の価値も決める 現在のビジネス環境においてはどれだけ真新しいビジネスモデルやテクノロジーであっても差別化要因にはならない。 瞬時に各国の言語に翻訳され、世界中に広まり、陳腐化してしまう。 ビジネスモデルで企業の価値が測られる時代は終わった。 そうではなく新しい仕組みやサービスを鬼速で生み出し続けられる組織力と、市場の変化に瞬時に対応できる柔軟性を持った企業こそ、激動の時代を勝ち残れる。 ★「鬼速PDCA」とは? 「鬼速PDCA」とは、PDCAを、高速を超える「鬼速(おにそく)」で回すことを指す。 このPDCAモデルは我流ではあるが、10年以上の実践を通して磨かれてきたものだ。 野村證券時代に支店での営業やプライベートバンカーとして数々の最年少記録を残せたのも、 独立後わずか2年で月間1000万PVを超えるWebサービスを作れたのも、すべて鬼速PDCAを実践してきたおかげである。 ★「鬼速PDCA」のしくみ - 目標へのロードマップの全貌をロジカルに導く「因数分解」 - キャパオーバーを防ぐ「工数棚卸しシート」 - 仕事の先送りがなくなる「半週ミーティング」 - 仕事のモレ・ムダがなくなる「鬼速進捗管理シート」 - 日々の気づきを行動に変える「なるほどシート」 - 自分を成長させる習慣を定着させる「ルーチンチェックシート」 ★本書の特徴 - 272ページで40点以上の図版。圧倒的な「量」と「質」でPDCAを完全解説 - 営業と英語学習を事例に、各ステップを具体的にわかりやすく説明 - 上記のPDCA支援シートは付録として無料でダウンロードできる ★こんな方におすすめ - キャリアアップと高収入を目指すビジネスマンの方 - チーム目標を任されているすべての管理職の方 - 急成長を目指す中小ベンチャーの経営者の方 - TOEIC高得点・MBA取得などを目標に勉強中の方 - 仕組みづくりにお悩みの店舗経営者の方 - 激しい市況の変化に対応している個人投資家の方 - お子様の受験勉強をサポートされている方 - パフォーマンスアップを目指すアスリートの方
著者について
著者は株式会社ZUUの社長冨田 和成(@tomitaZUU)さんです。
株式会社ZUUは富裕層向け金融情報サイト「ZUU online」を運営していて、今月(6月21日)に東証マザーズに上場しています。
感想
本書は、著者の冨田 和成さんが実践している PDCA サイクルのやり方を解説している PDCA の参考書です。
PDCA サイクルはとても有名なフレームワークなので、「何をいまさら」と思う人も多いでしょう。
でもよくよく考えてみてると、実際に PDCA サイクルを実践している人ってそんなにいるでしょうか?
そう言われてみれば、周りにそういう人は見当たらないし、自分自身も PDCA サイクルを実践したことがない・・・ということはありませんか?😓
本書は、PDCA サイクルの実践方法が具体的に書かれているので、はじめて PDCA を実践する人の参考書としてベストだと思います😆
要点だけまとめておきますので、気になったらぜひ読んでみてください!
PDCAの6つの誤解
- 簡単だと思っている(PDCA 自体も成長していくものであって、終わりなどない)
- 管理者向けのフレームワークだと思っている(PDCA は対象を選ばない)
- 失敗するのは検証(C)が甘いからだと思っている(PDCA の5割は計画(P)で決まる)
- 課題解決のためのフレームワークだと思っている(うまくいった原因も分析する)
- 改善さえすれば終わっていいと思っている(回し続けることに意味がある)
- 大きな課題のときだけ回せばいいと思っている(小さな PDCA をいくつも回したほうが結果的に速くなる)
計画(P)のステップ
- ゴールは定量化する(いつまでに、何を、どれだけ)
- 現状とのギャップを洗い出す
- ギャップを埋める課題を考える
- 課題を優先度づけして3つに絞る(効果、時間、気軽さ)
- 各課題を KPI 化する
- KPI を達成する解決案を考える
- 解決案を優先度づけする
- 計画を見える化する
- 上位 PDCA を再確認する
行動(DO)のステップ
- 解決案を「DO」に変換する
- DO に優先順位をつけ、やることを絞る
- DO を定量化する
- DO を「TODO」に落とし込む
- TODO の進捗確認をしながら実行に移す
タイムマネジメントの順番
- 捨てる
- 入れかえる(「重要・緊急マトリクス」を使う)
- 圧縮する
「重要・非緊急」領域を実行する方法
- 仕組み化し、日常生活に組み込む
- 強制的に「緊急領域」に移動する
検証(C)のステップ
- KGI(ゴールの達成率)の達成率を確認する
- KPI(サブゴールの達成率)の達成率を確認する
- KDI(行動計画の達成率)の達成率を確認する
- できなかった要因を突き止める
- できた要因を突き止める(良いことはさらに伸ばす)
KPI未達の4大原因
- 行動が伴っていなかった(KDI が未達)
- 行動は合っていたが不十分だった
- 想定していなかった課題があった(課題が未発見)
- 仮説で立てた因果関係が間違っていた(KPI と KDI の連動性が取れていない)
調整(A)のステップ
- 検証結果を踏まえた調整案を考える
- 調整案に優先順位をつけ、やることを絞る
- 次のサイクルにつなげる
検証と調整フェーズでよく起こる間違い
- 新しいものに目移りしやすい
- 間違ったものばかりに目が行く
- 意見の統一がはかれない
- 課題のたらい回し
- プロセスの可視化が不十分
PDCA を鬼速で回す必要条件
- 因数分解で精度の高い仮説を立てる
- 仮説思考、リーン思考で動く
- 常にインパクトの大きい課題、行動から着手する
- 行動のアイデアが湧いたらすぐにタスク化する
- 行動目標も必ず数値化
- TODO の進捗管理は毎日行う
- こまめに検証を行う
- 要因分析は「思い込み」を外す
- 次のサイクルに迅速につなげる
- 小さい PDCA を同時に多く回す
鬼速 PDCA を回すための3大ツール+おまけ
- 「半週ミーティング」
- 「鬼速進捗確認シート」
- 「なるほどシート」
- 「ルーチンチェックシート」
※ 鬼速 PDCA を回すためのツールは出版社のサイトからダウンロードできます。
要点
- 上位の PDCA とそれを細分化した下位の PDCA がある
- PDCAの「A」は Action(改善)ではなく Adjust(調整)(英語の「Action」に「改善」という意味はない)
- 調整(A)は検証結果を踏まえ調整案を考え、次のサイクルにつなぐ(または中止する)
- 「最速運転」がゴールの PDCA では、高い仮説精度で大きな事故を避けながら、アクセルベタ踏みで「だろう運転」をしたほうが当然早く着く。
- 仮説の精度を上げるために因数分解する。
- マインドマップツールは XMind がおすすめ。
- タスク管理ツールは Todoist と付箋がおすすめ。
- 優先度が低くなかなか着手できてこなかったものは「アイスボックス」に入れる。
- 検証は「検証可能な範囲内でできるだけ早く」が基本である。
- 「気づき」があったら「なるほどシート」に書き留めてる。
- 考え抜いた結果のミスは OK。
さいごに
PDCA のやり方は一つではないと思います。
「おっ、これいいな」と思ったところだけでも取り入いれていきましょう!
そうやって自分のやり方を育てていくのも PDCA ですからね😄